最近スピニングリールで主流となっている素材、『マグネシウム』。
ダイワから発売されている最高級機種『EXIST(イグジスト)』、それから『T.D.AEGIS(チームダイワ イージス)』など。そして、シマノから発売されている、こちらも最高級機種『STELLA(ステラ)』、以下ツインパワーMg、バイオマスターMgなど、ボディ素材にマグネシウムを採用しているリールが多いと思いませんか?
事実、スピニングリールの上位機種に求められる「リールの自重の軽さ」をクリアするためには、リールを構成する各々のパーツの素材を軽量化する必要があると考えます。リールをコンパクトにするのも難しいでしょうが、いかに軽く、強くするか、そこにメーカー各社の技術力が垣間見えるわけで、マグネシウムという素材を選択するのにも理由があるのでしょう。
そこで、具体的に何故『マグネシウム』が選択されるのかを調べてみました。
まず、マグネシウムとアルミニウム、そして鋼(鉄)との比較。
素材の重さですが、マグネシウムはアルミニウムの2/3、鋼の1/4の重さ。
実用金属の中では最軽量らしいです。
そして、強度、剛性などは同一重量で比較した場合、アルミニウムや鋼より優れていて、振動吸収性、切削性、耐くぼみ性も優れているそうです。
さらに、時間や温度の変化に対しても強いらしく、寸法の変化が少ないみたいです。これは、スピニングリール自体の精度に関わってくる重要な要素。
(
日本マグネシウム協会HPを参考とさせて頂きました)
ですが、どうやらマグネシウムは対腐食性に問題があるようで、シマノHP内において、ステラのボディ精度説明の際に「錆びやすい」とぶっちゃけています。
シマノの場合、マグネシウム素材の上に電気化学処理(陽極酸化被膜層)⇒特殊防錆処理(電着塗装被膜層)⇒外観メタリック塗装⇒ハーフミラーコート(チタンコーティング)⇒クリアー塗装の順に処理を施して対腐食性を克服しているようです。
ダイワに関しては、「ミクロンオーダーでの精密特殊コーティングを開発」と記されているのみ(イグジスト リアルフォー解説文内において)。
しかし、どちらにせよマグネシウム素材を使用することによる「軽量化」は、現在のスピニングリールの必須条件になりつつあります。
リールの価格帯で素材がわかると言っても過言ではありません。
価格帯でいうならば、マグネシウム(合金)>アルミニウム(合金)となるわけです。
ちなみに、マグネシウム合金というのは、マグネシウムにアルミニウムと亜鉛が添加されたものだそうです。
このブログの記事として、ダイワとシマノのスピニングリールの比較を取り上げていますが、リールの実際の感触、それからインターネットその他における情報を調べた上で書いています。
その際、ダイワとシマノの各社リールを調べる時に感じるんですが、シマノの方が詳しく、具体的にリールの説明をしています。
ダイワの場合、特に中間から下の機種については、とても大ざっぱな説明しかされていません。
どの部分にどういった特徴があり、どういった素材を用いているのか、詳しく知りたい人にとっては不満が残ります。ダイワ製のリールは個人的にも好きだし、優れているが故に少し残念です。
「スーパーメタルボディ」って、何が「スーパー」で、どんなメタル(金属)なのか、その辺が解りづらいと思いませんか?
とりあえず今回は、マグネシウム素材に着目してみました。
ここで、ダイワとシマノの2社の代表的なマグネシウム素材のスピニングリールを紹介します。
Daiwa EXIST 2506
言わずと知れたダイワの最上位機種。マグネシウム素材を用いる事で190gという驚異の自重を可能にしました。
Daiwa Emeraldas 2506
ダイワのエギングブランド「エメラルダス」。こちらもマグネシウム素材を用いて215gという軽量さ。
Daiwa T.D. AEGIS 2506
チームダイワの名に恥じないT.D.イージス。こちらもマグネシウム合金採用。自重200g。
SHIMANO '04 STELLA 2500S A-RB
泣く子も黙る、シマノ最上位機種のステラ。マグネシウム素材採用で230g。
SHIMANO Sephia 2500S
シマノのエギングブランド「セフィア」。これもマグネシウム採用でステラより軽い210g。
SHIMANO '06 TWINPOWER Mg 2500S
2006年発売のツインパワー。これもマグネシウム素材を採用して215gを達成。
ダイワ公式サイト
シマノ公式サイト